右上の奥歯2本は重度の歯周病のために、保存が不可能のために抜歯を行いました。そして、インプラント治療に先立って、サイナスリフトによる骨造成を行いました。上顎洞内に隔壁が存在していたので、上顎骨の側壁のウィンドウを二つ明ける必要がありました。また、ウィンドウをコラーゲン膜で封鎖することで、骨の造成量が確保できます。9ヶ月後に、インプラントを2本埋入しました。そひて、2次オペ時にはインプラント周囲の角化歯肉の確保のために、遊離歯肉移植術を行っています。
【左】初診時です。歯周病のため、右上の奥歯の歯茎と骨がなくなり、歯根が露出しています。歯石も付着しています。
【右】レントゲンで確認すると、2本の奥歯の周囲の骨が失われているのがわかります。インプラント治療には、上顎洞までの垂直的な骨の高さが不足することが予想されます。
【左】抜歯後2ヶ月経過した後に、サイナスリフトを行い、骨の高さを増やします。
【右】2本の奥歯の上の部分が、上顎骨の側壁になります。骨を露出させます。
【左】上顎洞内の粘膜を剥離するのですが、骨の壁でくぎられた部分があり、剥離を困難にしています。そこで、壁の前後にそれぞれ穴を二つあけ、粘膜を剥離します。
【右】そのスペースをそれぞれ骨充填材で満たしていきます。GBRを行い、骨の幅も増やす為に、骨の穴の外側にも多めに骨充填材を置いていきます。
|
その上をコラーゲン膜で覆います。 |
【左】サイナスリフト後、9ヶ月以上経過した時点で、インプラントを2本埋入します。骨の幅も確保できています。
【右】CT撮影用のステントを改造し、インプラント埋入用のステントとして使用します。これを目安にインプラントの1次オペを行います。
|
インプラントが2本埋入されました。 |
【左】挿入ジグを外し、封鎖スクリューを装着し、歯肉を縫合します。
3ヶ月後、2次オペを行います。インプラント周囲の歯肉の補強のために、固い角化歯肉を移植します。まず、骨膜を残して歯肉を剥離し、ヒーリングキャップを装着します。
【右】角度を変えて上からみたところです。写真の下側の固い歯肉を移植用に切り取ります。そこは、コラーゲン膜で保護します。
|
移植が終了したところです。歯肉が動かないようにタイトに縫合しました。 |
【左】治癒後、セラミッククラウンがセットされました。サイナスリフトによる骨造成を行ったので、クラウンを連結し、インプラントに伝わる負荷を分散します。
【右】インプラントの周囲の歯肉はきれいに治癒しています。
|
レントゲンで確認すると、インプラント周囲には白く見える十分な量の新生骨が楕円状に見えています。また、インプラントと上部構造であるセラミッククラウンの境目の形態は平坦で安定しています。 |