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インプラント YEAR BOOK 2006


クインテッセンス出版株式会社(2006/1)

インプラント YEAR BOOK 2006

インプラント YEAR BOOK 2006
出版社:クインテッセンス出版株式会社(2006/1)
発売日:2006/1


アンキロスインプラントシステムの臨床応用


アンキロスインプラントシステムの特長

現在、日本の歯科医師が選択できるインプラントシステムは数多くあるが、その中でアンキロスは独特な形状と特長を持っている。筆者が考えるその特長は3つあり、1.フィクスチャーアバットメント間のプラットフォームスイッチングと、2.皮質骨ではなく海綿骨に負荷をかけるネジ国「がフィクスチャーに刻まれていることである。それらにより、今までの多くの他のシステムでみられたような、フィクスチャーの皮質骨レベルでの骨吸収に伴う軟組織の吸収が比較的少ないようである。したがって、著者は特に審美エリアでの有効性が高いと考えている。もう一つの特長は3.フィクスチャーアバットメントとの接合部における円錐状の形態により、長期的な使用に際しても緩みを生じないという機械工学的な国「設計になっている。また、フィクスチャーアバットメント間の間隙が生じないことから、バクテリアの侵入に対して高い防御防御機能を持っていることも大きな利点だと思われる。しかし、その独特な構造により、過去においてはインプラントユーザーにとって受け入れられにくい状況を作ってきたかもしれない。ただ、プラットフォームスイッチングに関しては、その有効性が認められていく方向へ向かっているようなので、最近では、以前にはそのようなコンセプトを持っていなかった他のメーカーまでも同様な構造をもつインプラントの開発を行っているという報告を聞く。シングルのケースにおいて、審美性の達成のための条件がかなり解明されてきたために予知性が高まってきたようだが、インプラント周囲の生物学的幅径の存在などにより、マルチプルのケースにおける審美性の達成には限界があり、ブリッジのポンティックによる補綴物のほうが審美的観点においては優位である場合が多い。現在、対応策として可柏ォがある方法としては、スキャロップタイプのフィクスチャーと、フィクスチャーアバットメント間のプラットフォームスイッチングの2つであるといえよう。しかし、まだ少数のケースリポート程度の文献しか存在しないのが現状であり、筆者としても興味深い事項であるため今後の臨床報告に期待している。ところで、フィクスチャーのネジ(タップ)形態やフィクスチャーアバットメントの接合部の国「に関して、われわれ歯科医師が持っている知識をより集めるのではなく、工学系の専門家(アンキロスでは、モーゼル工学博士・チューリッヒ大学)の知識を拝借したほうが良い結果が得られるのではないかと個人的には考えている。例えば、インプラントのアバットメントの緩みにより、直接生命の危機にさらされることは、まれにしかないかもしれないが、自動車や航空機などにおいては、エンジンその他のパーツにおいてネジの緩みは、許されるものではないのは自明である。またわれわれは、フィクスチャーアバットメントに対して、どうしても天然歯を模倣した形態を無意識のうちに期待し、かつ絶対視する傾向にあるかもしれないが、現実にはインプラント周囲に歯根膜さえも存在せず、抜歯前と生体の状況が違う以上、既存のものとは違っていても、口腔内よりも厳しい環境で培われてきた技術をも取り入れた新しいフィロャtィーが誕生する可能性を許容すべきであろう。そのような背景を踏まえ、1つのケースを供覧していきたいと思う。

アンキロスインプラントシステムの特長

症例供覧

このケースは、アドバンスなものでなく、日常臨床において多くみうけられる一般的なケースではあるが、このようなケースにおいて簡便に審美的(歯間乳頭が得られやすい)な結果が得られやすいということもインプラントシステムを選択する際にひとつの判断基準になるかもしれない。患者は30歳男性、3に関して、インプラントにて治療を行った。アンキロスでは、A(ショルダー部の直径3.5mm)で、長さ11mmというタイプのインプラントがシングルスタンディングに際して基準となるが、今回は1サイズ長いA14を使用している。しかし、骨幅に関しては十分でなかったため、この当時は最初にGBRを行った後にフィクスチャーを埋入する手法を選択した。その後、十分な頬側の豊隆が得られるまで数度にわたってGBRと結合組織移植を行った。結果的に頬側のカントゥアに関しては、ある程度満足のいく審美的な結果が得られたかも知れないが、現在であればフィクスチャーの埋入とGBRを同時に行い治療期間の短縮をはかるであろう。また、骨の増生量が少なかったことも手術の回数を増やす結果につながってしまっている。この点が反省点として残ってしまった。筆者は、印象に関しては、Kerrのtake-1によって行うが、技工操作時の簡便性と正確性を考慮し、ほとんどのケースにおいてクローズトレイを用いることにしている。アバットメントに関しては、歯肉の深さを考慮して数種類の中から選択することが可能であるが、前歯部であっても、バランス-アバットメント-ポステリアを好んで使用している。そして、エビデンスに反するかもしれないが、この症例のように軟組織の治療期間中にオールセラミックスの最終補綴物を装着し、歯肉形態(特に歯間乳頭)の熟成を待つこともしばしばある。

症例供覧

まとめ

現在、審美的な結果においては、組織の欠損が少なく、かつ単独歯欠損のケースにおいては、インプラントシステムによる差はあまりないようであるが、限られたスペースしか存在しない骨に複数のインプラントを使用するケースにおいては術者の技術的背景、欠損部位の生物学的背景など以外にどのコンセプトのインプラントシステムを選択するかによっても差が出ると思われる。また、表面性状などに目を奪われがちであるが、補綴システムのバリエーションの合理的さ豊富さ・簡便さもインプラントシステムを選択する際に重要である。アンキロスにおいては、日本でも今年からジルコニアアバットメントがラインアップに加わったこともあり、臨床のさまざまなケースにおいてより高い審美性の要求にも応えることができるであろう。

まとめ

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1995年。東京医科歯科大学歯学部卒業。ハーバード大学でインプラント・スピード矯正(コルチコトミー)についての症例報告。2010年にはPGI-clubにてコルチコトミー併用スピード矯正の講演。などの実績を持つ


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